どもども。すらーぷの妖精です。今回は Floorp 開発で得たものや、失ったもの や変わった考えについて書いていきます。今日で開発者としての役職は終わりなので。(執筆日:6月30日)
得たもの
やはり、なんといっても技術力です。大規模ソフトウェアのソースコードは本当に大きいです。どこに何があるのかもさっぱりおわからない中から始めるので、難易度は高いですね。また、機能の追加方法も不明なので何を書けばいいのかもわかりません。ですが、少しづつソースコードが読み解けるうちに読む速度も上がった気がします。半分以上はほかのに教えてもらったりしましたが。
これだけではありません。Firefox のソースコードは合計で 3GB 以上ありますし、フォークが大変です。Firefox のリポジトリは Mercurial なのでフォークだけでもかなりの時間を要しました。最終的に何とかなりましたが。技術的にはこんなものでしょう。
人間関係になりますが、某WebDINO Japan の私からしたら神みたいな人とお話しできたりする機会が得れたり、(また話してみたいと思ってます)Floorp の公式リポジトリに翻訳の修正が来たり。人間関係も広めたり深めることができました。いや、素晴らしい。正直 DM に来た時冗談かと思いました。はい。
変わった考え
一文で書くと以下のようになります。
Mozilla を信仰するようになって、ビックテックが好きではなくなりました
Google といえば、Google Chrome。Mozilla といえば Firefox。まあライバルなわけで。Google さん色々とやらかしてくれているわけですね。Google ドキュメントがうまく動作しなかったり、YouTube のコメント欄が突然全部に「続きを見る」が表示されたり、流石にもっとチェックするべきだと感じました。Chromium の天下統一はまずい。
Chromium について
Chromium 時代、DRM や H.264 に悩んで Firefox への移行を決めたのは今でも覚えています。openH.264 が搭載されているといるので安心したら H.264 のソースからのビルドだったなど。うーん、、派生殺し。そのうえ、Chromium 派生の大半は使ってはいけない Chrome Sync を搭載しまくる。なんなんだこの世界はと思いました。今となっては Firefox に移行してよかったと感じています。
*H.264 には特許があり、多額の金が必要です。open H.246 はビルド済みのバイナリなら無料。Firefox はそれを使用。
DRM について
DRM(著作権保護用コンポーネント) に関しては闇が深すぎますね。Firefox には最高品質の Widevine(DRM)が搭載されていますが、Floorp は Firefox 派生にもかかわらず、Spotify や Amazon Prime などの動画を最高画質で再生出来ないという縛りがあります。おかしい気はしますね。闇を感じます。
まあ Google に対して敵対的であることで有名なブラウザーは存在していますが、DRM の搭載には Google との契約が必須になっています。何故搭載できているのでしょうか?謎です。
Brave に関してはドキュメントが見つかったものの、重要な部分はクローズになっており、詳細は確認できませんでした。一体どこから証明書などを取得しているのか、私にはわかりません。Vivaldi はクローズソースなので不明ですね。まあ契約できるわけないので裏技を使っているのでしょう。
まあ何が言いたいのかというと、どんなに機能が素晴らしいブラウザーを作ったとしても、Google の許可がないとすべてのサイトを閲覧できないということです。頭打ち。Google Chrome は越えられない。
結局すべてがオープンなブラウザーに存在しない。今のところ
Mozilla はオープンなウェブを目指して活動していますが、それはまだまだ難しいようですね。すべてのソースコードを公開してすべてのウェブサイトが正しく閲覧出来てウェブ標準に100従ったブラウザーを見てみたい、、、そんなブラウザーを一度でいいから見てみたい。そう心から思いました。
まあ某日本の公共放送と名乗っている企業が Firefox で動画を再生できなくした時点で厳しい可能性大ですが(付け加えるとそれが正しいとか言っちゃう学生やエンジニアもいるわけで)
ソフトウェアなのにオープンソースが実現しないのも珍しいですね。まあ金がとれる場所にしてしまったのでしょうがないですが、、、
筆者がやったこと
DRM に関してはほかのプロジェクトを漁りまくりました。何とかして最高品質の動画をユーザーに届けられるよう努力はしました。でも、残念ながら無理でした。重要な部分がない、、、
私はこの現状は好きになれないので、Floorp はソースコードをすべて公開し、改変部分などの説明やビルド環境まですべてオープンで開発しています。少しの足しですが、検索エンジンの収益は Mozilla のものになるようソースコードを編集していません。
失ったもの
時間。時間。これに限ります。まあ現役高校生でここまでウェブを探し回っている人も少ないでしょうが、でも後悔は一切ありません。得れたものは本当に大きい。ありがとうございました。