概要
前回、7.0.0 を発表しリリースしたばかりの Floorp ですが、唐突にベースを Firefox に変更しました。アンケートの元、変更しましたが、何故このような経緯になったか軽くですが説明します
Chromiumを採用しなくなったワケ
結論、Google API や Chromium の機能が原因です。今年3月、Chrome 以外のブラウザーで Google アカウントで同期する機能、「Chrome Sync」と Google 翻訳でウェブを翻訳をできる機能「Google 翻訳」が Chromium 系のブラウザーで利用できなくする策を Google が実行しました。何故か使えるブラウザもありますが、その内全部の Chrome 以外のブラウザで使えなくなることは確かです。ここまでは他のブラウザでも想定内でしょう。問題はその後です。数年前、Microsoft Edge は ベースを Chromium に変更しました。しかも、徐々にシェアを獲得しています。Google 側としては、 Chrome のシェアを伸ばしたいので、Edge に対してなんらかの形で Chromium から機能制限をかけると私は予想しています。
具体的には次が挙げられます
- Chrome ウェブストアが Chrome 以外の Chromium 派生ブラウザで使用禁止になる
- FLoC 強制オン(FLoC がわからない人はこちらをお読みください)
- Google サービス関係の利便性低下(YouTube、Google Drive、Google ドキュメント etc…)
- 広告ブロッカー無効化
私も信じがたいことですが、Google は現在、独占禁止法で裁判にかけられており、負けた場合、巨額のお金を払う必要があります。その場合、Google が 広告で収益を上げている為、Chromium というウェブの世界になんらかの規制をかけてもおかしくありません。Chrome を使わせることで、収益は上がりますし。当たり前でしょう。Edge にシェアを取られてしまう以上は。
何故 Firefox を採用するのか
開発者の中には、Chromium の機能に依存しない、Chromium ベースながらもデスクトップ向けアプリを構築するためのシステムである Electron を採用すべきとの意見もありました。確かに Electron は非常に便利で1から構築できるため、実装も難しくはありません。例として、Sorakime 様が開発している Monot ブラウザ、Fascode の会員である、葵さんが開発する Flast というブラウザが存在します。2つとも非常に魅力的です。ですが、Electron は100% Chromium ではないため、テーマ、拡張機能との互換性はありません。これはユーザにとって不利益です。また、Electron はブラウザを作るためのものではありません。
ここで登場するのが Firefox です。Firefox はオープンソースであり、クロスプラットフォームでもあり、 Chrome より先に生まれた、非営利団体の Mozilla が運営するブラウザです。数年前から Google によるイタズラをされつつも Google と競合しています。Chrome と違って、Chromium のようなオープンソースの形態を取るのではなく、Firefox 自体がオープンソースです。Floorp ではこの Firefox を採用することにしました。もう理解できた気がしますが、Google サービスを Firefox は頼っていないのです。そのため、「本当にユーザを気遣う」ことを考慮すると Firefox を採用することが妥当だと判断しました。実は、あと2つほど理由があるのですが、、、
Firefox に移行した Floorp はどうなるのか
Chromium ユーザは Firefox のデザインに戸惑うでしょう。新しい Floorp でも、Chromium と同じデザイン、使用感を実現するために努力しました。ですが、Floorp Legacy(Chromium 版 Floorp のこと)の機能の一部は削除しています。ですが似たような機能は用意してあります。RSS、フィードリスト、スーパードラッグ、サイドバー等がご利用できます。新しい Floorp では、既定のブラウザーの設定、管理者権限なしでのインストール、インストールディレクトリの指定も可能になります。Floorp ボタンまでも用意してあります。また、ベータ版からのやり直しにはなりますが、どうぞ、新しくなった Floorp をよろしくお願いします。
これ以上は長すぎますね。最新情報は追って投稿します。ここまでお読みいただき、ありがとうございます。