これは https://blog.ablaze.one/4694/2025-02-20/ の内容の続きで、Floorp 12 がどの程度進んでいるのか、ある程度の提供予定の目安を提示するためのノートです。削除が決定した機能の内容も提供します。
**すべての内容が Floorp 12 の正式版に来るとは限りません。注意してください。また内容は作者の感情が 80% ぐらい入っています**
目次
Windows での新インストーラーとモダンな技術への移行

Floorp 12 以降、現行のインストーラーは廃止はされませんが、Windows ではデフォルトでは上記の UI を持つインストーラーを最初のオプションとして配信する予定です。
以前の Floorp のインストーラーは多言語対応ができていない、インストーラーなのにインストールパスが指定できないという問題がありました。この新しいインストーラーでは最新のフレームワークである Microsoft が提供する WebVeiw2 Runtime を Tauri を使用して採用しているため、日本語を含む 30 か国語に新しくインストーラーも対応するようになります。UI 自体も大幅に刷新され、Floorp がどのような設計のブラウザーであるのかもここに表示されるようにもなっています。
後述もしますが、Floorp は Floorp 12 以降 Floorp のデザインシステムを構築するために DaisyUI を採用しています。若干のカスタマイズを加え、ロゴの色であり Floorp を表す紫色を取り入れています。

Floorp の新しくなったデザインシステムと DaisyUI の採用

Floorp 12 では UI ライブラリとして DaisyUI を採用しています。Floorp 12 公開当初では Shadcn/ui でしたが、Floorp 12 の開発環境以外でうまく動作しなかった上、Floorp のデザインに合わなかったため、DaisyUI を採用することにしています。DaisyUI はほとんどが CSS 飲みで動作する軽量なライブラリであるため、Floorp 12 にはとても相性が良いものでした。
Floorp 11 以前はほどんどの UI が作者(Ryosuke Asano)による CSS とvanilla JS による手書きで実装されていたため、思うように実装できなかったり、開発に時間がかかることも多かったのですが、React や SolidJS の組み込みによってこの問題も解決しつつあります。
新しくなった「Floorp へようこそ」と新しい多言語サポート

Floorp 12 以降では初回起動時に表示されるチュートリアルページの内容が大幅に変化しています。「Floorp へようこそ」はもともと、Firefox の実装に合わせて Floorp 側でも用意したほうがいいのでは?という作者の独断と偏見で実装されたものだったので殆ど書き殴り実装でした。
この問題も Floorp 12 では解決されています。

上記のページはチュートリアルの一部ですが、ちゃんとアイコンなども用意し、チュートリアルとして正しい内容になるようにし、よくわからないと感じた「松竹梅」は削除しました。

多言語サポートも改善されています。これもチュートリアルの一部ですが、チュートリアルページはオペレーティングシステムの設定を Floorp が読み取り、オペレーティングシステムと同じ言語で可能な限りチュートリアルページを表示しようとします。Floorp は 11 以前は多言語サポートのために Floorp によって独自でビルドされた言語パックを使用するという構造でしたが、Floorp 12 以降はこのプロセスを改善し、Firefox によってクラウド上で提供される最新の 100 種類を超える言語パックが利用できます。
Floorp 11 では Firefox ESR をベースとしていたため、やはり少し古い部分が目立つことが多かったのですが、見た目の点からも改善されています。Floorp はもともと 30 言語程度のサポートでしたが、100 か国語以上の言語をこれでサポートすることになります。
様々な機能のユーザーエクスペリエンスの改善と新機能

Floorp 12 は Firefox フォークでは初めてマウスジェスチャーをネイティブ実装ブラウザーになります。昔から要望が多かったうえ、Floorp 自身の開発に使用している技術スタックと開発者の実力向上によって実現することができました。Floorp 7.0.0 以来のマウスジェスチャーの復活になりますね。逆に、プロファイルスイッチャーに関しては Firefox の実装によって削除が決まりました。
このマウスジェスチャーの実装をほのめかす Floorp の X 公式のポストには Kinza の開発をされていた Dayz 株式会社の代表の方も反応されていてとてもうれしかったと感じでおります。後々、RSS リーダーも復活させるつもりなので、新機能に関してはご期待ください。

Floorp Home も Floorp Start に生まれ変わります。Firefox は最近背景イメージを選択するオプションを提供しましたが、Floorp 12 はこれに対処するために Floorp Home と完全に分離を行うことで対策しました。
Floorp 12 ではデフォルトでは Floorp Start が選択されていますが、もちろんいつでも Floorp Home に戻すことができます。

もちろん、Floorp 11 の頃と同じようにカスタム背景画像を用いることができますよ。しかも、Floorp 11 と比較してかなり表示されないことがなく安定しているはずです。
進化したカスタムショートカットキー

カスタムショートカットキーも Floorp 11 が初めて Firefox フォークで搭載した新機能でした。ただし、実装に難があったことも多く、私もかなり苦戦した記憶があります。
Floorp 12 では、構成を考え直し、Modal でショートカットキーを設定する方法に戻したうえ、Firefox に設定されているショートカットキーを自動で上書きするという新しいアプローチに変更しています。
つまり、明示しなくても Floorp 側でカスタムショートカットキーを設定すれば、自動的に同じキーを使用していたショートカットキーを無効にすることができます。
Floorp 12 はまだまだ未完成な部分も多いですが、ようやく終わりも見えてきました。少なくとも、2か月以内にはリリース候補を登場させることができるでしょう。Floorp 12 は革命のバージョンになるよう、今後も力を入れていきますのでどうぞお待ちください。